英国に「孤独担当相」が新設されたという話

「孤独」という個人の心の領域に、英国が国政レベルで税金を使って対策を講じる?! そんなニュースを聞いて少々びっくりしました。

イギリスのテリーザ・メイ首相は1月18日、「孤独担当大臣」のポストを新設し、トレイシー・クラウチ氏を任命したことを発表した。イギリス社会で「孤独」に困っている人のための総合的な政策を率いるという。ガーディアンなどが報じた。
また、イギリス政府は孤独の問題に関する調査を開始し、人々を結びつけるコミュニティ活動に対して金銭的な助成をすると発表した。
http://www.huffingtonpost.jp/2018/01/17/may-loneliness_a_23336292/

孤独はあらゆる年齢、社会的背景を持つ人々に影響を及ぼし、低所得者層、退職者層、家族に先立たれた高齢者、友人を作れない子ども、初めて子を持つ親、介護中の人など、誰もが孤独感や疎外感にさいなまれることがあります。孤独状態が慢性化すると健康にも害を及ぼし、人とコミュニケーションがとれなくなり、認知症や高血圧に結びつくこともあるといいます。英国では調査により、国民6500万人のうち900万人がそんな慢性的孤独状態にあるというのです。英国では「住民がバラバラになった地域が存在することで、英国経済に320億ポンド(約4・9兆円)の損失を与える」と調査委員会が結論づけ、対策を講じるために新設されたポストが「孤独担当相」ということだそうです。

ところで、日本人のほうがどうみても孤独度が高そうです。日本社会では『おひとりさま』や『孤独のグルメ』が流行するように、孤独はむしろカッコイイとさえ思われてきたように思います。しかし、高齢者の孤独死や、昨年ネットを通じた自殺幇助事件が明るみになったこともあり、ようやく孤独の闇深さが認知され始めたように思います。孤独を「人間関係の貧困」問題と捉え、一人ひとりがそこに陥らないための道を探りたいものです。