“住まい”の未来を体験 – HOUSE VISION 2

青海で開催された展示イベント「HOUSE VISION 2016」に会期終盤、駆け込みで見に行ってきました。普段は注文住宅展示場がある場所なのですが、イベント中は展示物が一変。ちょうど東京モーターショーで未来カーが展示されるように、近未来の住宅の姿を、1/1模型(原寸大)で実際に体感できる場になっていました。

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●建築家の原研哉氏の呼びかけで始まったプロジェクト
「HOUSE VISION」は原研哉氏が提唱し、2011年より各地でシンポジウムを開催、展示会スタイルとしては2013年以来、2回目の開催とのことです。今回の1/1模型展示は12(お休み処も入れると13)。参加企業(建築家)は、

無印良品(アトリエ・ワン)
ヤマトホールディングス(柴田文江)
Airbnb(長谷川 豪)
パナソニック(永山祐子)
大東建託(藤本壮介)
TOTO・YKK AP(五十嵐 淳・藤森泰司)
LIXIL(坂 茂)
三越伊勢丹(谷尻誠・吉田愛)

など、異業種の企業と建築家がコラボしたユニークな作品を見ることができました。

それらをひとつひとつ写真に撮って熱心に見学する、若い世代で賑わっていたのが印象的でした(通常の住宅展示場の客層よりはるかに若いというイミです、念のため)。

展覧会テーマ「Co-dividual 分かれてつながる 離れてあつまる」は、これ以上ないほどに分断されてしまったコミュニティや家族、人口減少が進む地域、少子高齢化が進む社会、さらには細分化されてしまったテクノロジーなどの現代の課題を、いかに新たな環境の中で再統合していくかという視点を提供するものでした。

(ディレクター 原研哉のブログより)

建築家、不動産業、メーカー、あるいはIT系など、見る人の立場によっていろいろな捉え方ができる展示だったと思います。私には住宅の「モバイル化」と「家電化」というキーワードが際立っているように見えました。
また、出品者のお一人、永山祐子さんもおっしゃっていますが、「『三匹の子豚』で一番優秀なのは“レンガの家”と教えられてきたけれど、現代のテクノロジーでは実は“わらの家”が一番高機能な家になり得るかもしれない」と。

私たちは皆、イエにまつわるハードもソフトも、いったん固定観念から開放される必要があるかもしれませんね。

最後は、原研哉氏によるイベント総括の言葉です。第3回の展示会が何年後になるかも、楽しみです。

HOUSE VISIONの目的は、潜在している未来を目に見える形にしてみることであり、そこに見えたことから、僕たちは思考を前に進めないといけない。
少子高齢化や過疎の問題は、日本が直面する厳しい問題である。人口減少は、産業の趨勢にも大きな影を落とすことになるだろう。しかしながら、大事なことはそこにいかに幸せや誇りの種子を見出していくかという能動性である。ヨットは風向きが進行方向と真逆でも、潮流や風を上手に利用しながら、ジグザグに、それでも前に進む。人口減少や、インバウンドの急増などは環境の「運動」であり「変化」である。要は「運動と変化」を、エネルギーを得る糧として利用し、どのように前に進むかを考えなくてはならない。